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朝鮮学園の補助金支給停止状態を改めることを求める会長声明

2014年12月10日



広島県 環境県民局長 殿
広島市教育委員会 教育長 殿

                              広島弁護士会  
                               会 長  舩 木 孝 和

 広島県及び広島市は、広島県内にある私立学校に対し、経常費補助金及び授業料等軽減補助金(以下「補助金」という)を支給し、平成6(1994)年以降、広島朝鮮学園(幼稚園・初級・中級・高級部)もこの支給対象としてきた。
ところが、広島県及び広島市は、平成24(2012)年度分について予算計上しながらその支給を凍結し、平成25(2013)年度分については予算計上すら行わず、以後広島朝鮮学園に対する補助金支給はなされないままである。このため広島朝鮮学園は、学校運営に必要な収入を失い、高級部のみならず、幼稚園、初級部、中級部までも影響を受ける事態に陥っている。
 広島県及び広島市は、補助金支給停止の理由として、国が公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(以下「高校無償化法」という)の対象校から広島朝鮮学園を外したこと等をふまえ、補助金支給を続けることにつき県民・市民の理解を得ることが難しいことを挙げる。
 しかし、上記補助金支給を開始した平成6(1994)年時点以降現在まで朝鮮学園での教育内容に大きな変更はなく、このことは広島朝鮮学園との意見交換の実施等により広島県及び広島市において既知の事実のはずである。「多文化共生意識の高揚」に取組む等、長年にわたり多文化共生社会づくりを推進している広島県及び広島市においては、むしろ広島朝鮮学園の教育の実情を県民・市民へ周知し、県民・市民の理解を深めるための活動を求めたい。
また、そもそも広島県及び広島市の補助金支給停止の措置は、国際情勢・政治情勢に何の責任もない、また自分たちではどうすることもできない広島朝鮮学園の子どもたちだけにしわ寄せを及ぼすものであり、所得の少ない世帯の児童について従来減免されていた授業料を負担せざるを得ない等の事態が生じている。
朝鮮学園に通う子どもたちにも学習権(憲法26条)が保障されており、合理的理由のない上記の取扱は、法の下の平等(憲法14条1項)並びに教育における機会の平等、財政的援助、文化的アイデンティティや居住国及び出身国の国民的価値の尊重を保障する子どもの権利条約(第2条1項、第28条、第29条)に反するおそれが高いと考える。
 広島県及び広島市が補助金停止の理由に挙げている、国による高校無償化法施行規則を「改正」した後であってもなお、京都府、兵庫県、福岡県をはじめとする複数の地方自治体で補助金支給は維持されている。また、平成26(2014)年3月には、神奈川県議会において朝鮮学校生徒へ学費補助を行う予算案が可決された。さらに、同年8月29日には、国連人種差別撤廃委員会から日本政府に対し、朝鮮学校へ支給される地方自治体による補助金の凍結もしくは継続的な縮減に対し、教育の機会の提供において差別がないことを求める総括所見が出されたところである。
広島朝鮮学園に通う児童・生徒は、次世代を担う広島の子どもたちであり、朝鮮学園の卒業生たちは、広島の地に根付いて生活している人も少なくなく、私たちとともに生きる社会の一員である。
 当会は、広島県及び広島市に対し、他の外国人学校等と同様に、広島朝鮮学園への補助金支給を行うよう、早期に対応を改めることを求める。
以上