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最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

2016年07月13日



最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

                        2016年(平成28年)7月13日
                        広島弁護士会 会長 爲末 和政


第1 声明の趣旨
中央最低賃金審議会には,平成28年度地方最低賃金額改定の目安についての答申において,目安を大幅に引き上げることによって地域別最低賃金の大幅な引上げを促すことを,また,地方最低賃金審議会には,主体的に最低賃金額の大幅な引上げを図ることを求める。

第2 声明の理由
中央最低賃金審議会は,近々,厚生労働大臣に対し,地方最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。その後,この目安答申を受けて各地方最低賃金審議会においても調査審議を経て賃金額改定の答申がされ,これを踏まえ,各都道府県労働局長が地域別最低賃金を決定することとなる。
近年,非正規労働者の数が全労働者の4割程度にまで増加し,その結果,家計を支える役割を担う非正規労働者も多数現れ,広がりを見せたワーキングプアと呼ばれる貧困層は常態化しつつある。このような現状を踏まえれば,最低賃金制度を「すべての労働者を不当に低い賃金から保護する安全網」(セーフティーネット)として真に実効的に機能させることが必要不可欠であり,最低賃金で働いても人間らしい生活を持続的に営むことができるように,最低賃金額を引き上げることが喫緊の課題というべきである。
また,最低賃金の引上げの効果として,労働者の離職率の低減化,新規採用・訓練のコストの削減,賃金が消費に回ることによる経済の活性化など様々な社会的メリットも指摘されている。
政府も,「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年(平成28年)6月2日閣議決定)等において,年率3%程度を目途として,名目GDP成長率にも配慮しつつ最低賃金を引き上げることにより,全国加重平均が1000円となることを目標に掲げており,平成28年度地域別最低賃金額改定の目安についても,中央最低賃金審議会に対し,上記閣議決定に配意した調査審議を求めているところである。
もっとも,現在の地域別最低賃金の全国加重平均額は1時間798円であり,仮に年率3%で最低賃金の引上げを行ったとしても,全国加重平均が1000円に達するのは2020年台半ばとなり,政府が引上げ率の目途とする「年率3%程度」は,決して十分なものとはいえない。
さらに,広島県の地域別最低賃金について言えば,現在,1時間769円(2015年(平成27年)10月1日効力発生)に止まり,全国加重平均の798円をも下回る。対前年度上昇率は2.53%であり,前々年度の対前年度上昇率が2.32%であったことに比すれば,一定の前進が見られるとはいえ,上昇率,賃金額において共に上記政府目標にすら及ばず,引き上げ幅としては小幅に過ぎるといわざるを得ない。
したがって,当会は,地域経済の健全な発展と労働者の健康で文化的な生活の確保のために,改めて,中央最低賃金審議会には,今回の答申において,目安を大幅に引き上げることによって地域別最低賃金の大幅な引上げを促すことを,また,地方最低賃金審議会には,主体的に最低賃金額の大幅な引上げを図ることを求める。
以上