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国選付添人制度の対象事件の拡大を求める会長声明

2018年10月22日
広島弁護士会
会長 前川 秀雅



第1 声明の結論
  当会は,国に対し,国選付添人制度の対象事件を,少年鑑別所に送致された少年の事件全件にまで拡大する旨の少年法改正を速やかに行うよう強く求める。

第2 声明の理由
  少年審判事件において,弁護士は,付添人として,非行事実の認定や保護処分の必要性の判断が適正に行われるよう活動している。また,家庭や学校・職場など少年を取りまく環境の調整を行い,少年の立ち直りを支援する活動も行っている。このように,少年の立場に立って活動する弁護士付添人の重要性は極めて高く,その選任率が少年鑑別所に収容され審判を受ける少年の約92.6%となっていることからも(2016年統計),実際に弁護士付添人が果たしている役割は大きいものといえる。
ところで,2016年(平成28年)通常国会において刑事訴訟法が改正され,被疑者国選弁護対象事件が,本年6月から被疑者が勾留された全ての事件へと拡大された。他方で,現行の少年法は,国選付添人制度の対象事件を,長期3年を超える懲役又は禁固に当たる罪で身体拘束を受けた場合に限定しており,非対象事件(例えば,暴行罪,脅迫罪,住居侵入罪等)で少年鑑別所に収容された場合は,「捜査の段階では国選弁護人が選任されるにもかかわらず,家庭裁判所の審判になると国選付添人が選任されない」という事態が生じている。成人の場合は,罪名にかかわらず被疑者段階から被告人段階に至るまで,国選弁護人選任権が保障されていることと比較すると,制度上の矛盾は明らかである。
こうした問題状況を打開すべく,日弁連は,少年に対する法的援助を充実させる臨時的・暫定的措置として,少年保護事件付添援助制度を設けている。これは,全会員が特別会費を負担して作る少年・刑事財政基金を財源として,国選付添人が選任されない事件の少年・保護者に対して弁護士費用を援助する制度であり,国選付添人制度の非対象事件,あるいは対象事件ではあるが裁判所が国選付添人を選任しなかった場合に,同制度を利用することで,弁護士付添人を選任することができているのが現状である。
しかしながら,捜査から審判に至る一連の手続きにおいて,弁護士付添人による法的援助の機会を与えることは,本来,国の責務である。心身ともに未成熟であり,必要性がより高いにもかかわらず,少年への法的援助が成人よりも不十分であるという制度上の矛盾は速やかに改善されなければならない。とりわけ,少年鑑別所で身体を拘束された少年については,精神的負担が大きいこと,事件の軽重を問わずその生育歴・家庭環境にも大きな問題を抱えるケースが多いこと,少年院送致などの重大な処分を受ける可能性が高いことから,国選付添人による法的援助を早急に整備しなければならない。
なお,2014(平成26)年改正少年法によって,同様の制度上の矛盾を解消するため,被疑者国選対象事件と国選付添人制度の対象事件が同一にされた経緯に鑑みれば,この度の被疑者国選対象事件の勾留全件への拡大に際しても,速やかに少年法の改正が行われ,制度上の矛盾が解消されなければならないことは明らかである。
  よって,上記のとおり,速やかな法改正を求めるものである。
以上