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平等な高校無償化制度の実施を求める会長声明

2010年06月14日
広島弁護士会
会長 大迫唯志



1 2010(平成22)年4月1日,「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(平成22年法律第18号,以下「本法律」という。)が施行され,いわゆる高校無償化制度が開始された。
本法律の対象となる「高等学校等」には,「高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定める」各種学校が含まれ,その中には外国人学校も規定されているところ(本法律2条1項5号,本法律施行規則(平成22年文部科学省令第13号)1条1項2号),同月30日,文部科学省は高校無償化制度の対象となる外国人学校31校を告示し,これに東京韓国学校中・高等部や東京中華学校,横浜中華学院等を含む一方で,朝鮮高級学校はこれに含めず,今後第三者機関を設置して本法2条1項の指定要件を検討させることとした。
2 しかしながら,朝鮮高級学校は,既に日本社会において高等学校に準ずるものとして評価されており,このような対応をとる理由は見いだせない。
すなわち,日本全国に10校ある朝鮮高級学校は,それぞれ都道府県知事から各種学校の認可を受け,その際教育課程に関する情報も必要に応じ提出されている。現に,日本国内の多くの大学が「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」として朝鮮高級学校卒業生に大学受験資格を認めている。また,全国高校ラグビー選手権大会,全国高校サッカー選手権大会の代表に朝鮮高級学校が選ばれる等,課外活動においても朝鮮高級学校は高等学校と同等の取り扱いがなされているところである。
3 1998(平成10)年2月及び2008(平成20)年3月の日本弁護士連合会の勧告書においても指摘するとおり,憲法26条1項(教育を受ける権利),子どもの権利条約,人種差別撤廃条約及び国際人権(社会権)規約等により,朝鮮高級学校に通う子どもにも学習権は保障され,また,憲法14条等に基づき,他の日本国籍の子どもや外国籍の子どもとの間で差別的取り扱いを受けない権利が保障されている。
しかるに,日本の私立学校や他の外国人学校と区別し,朝鮮高級学校を高校無償化制度の対象から当面除外し最終的判断を先送りした前述の政府の対応は,朝鮮高級学校に通う生徒(朝鮮籍だけでなく韓国籍,中国籍及び日本国籍等の子ども)に対する合理的根拠のない差別であって,重大な人権侵害であると言わざるを得ない。
このことは,本法律の趣旨が「高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り,もって教育の機会均等に寄与することを目的とする」(1条)ことに鑑みても明らかである。
4 以上より,当会は,内閣総理大臣及び文部科学大臣に対し,朝鮮高級学校を高校無償化制度から排除せず,直ちに本法律2条1項の指定をするよう強く求めるものである。
以上