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死刑執行に関する会長声明

2010年07月30日
法務大臣 千葉 景子 殿
広島弁護士会
会長 大迫 唯志



 2010年7月28日、東京拘置所において2名の死刑確定者に対して死刑が執行された。今回の執行は、昨年9月に千葉景子法務大臣が就任して以降、初めてのことである。千葉大臣は、就任当時、死刑の執行は人命にかかわる問題ゆえに、慎重に取り扱っていくことを表明し、国民的議論と情報公開を進めたいと述べていた。しかるに今回の執行までに積極的な議論の場の創設や情報公開の促進などを行うことのないまま、今回の執行が行われたことは、極めて遺憾である。

 我が国の死刑制度については、一昨年来、国際社会においてかつてないほどの注目を集め、一年前までの死刑執行の増加傾向に対し警鐘が鳴らされてきた。すなわち、2008年6月の国連の人権理事会は、日本の人権状況に対する普遍的定期的審査の報告書を採択し、その中で死刑執行の増加に懸念を示したうえで、死刑執行の停止が勧告された。また、2008年10月には、国連の自由権規約委員会の第5回日本政府報告書審査の総括所見においても、委員会は死刑制度の廃止を前向きに検討するよう、日本政府に勧告している。
 さらに、2008年12月の国連総会本会議において、死刑執行の停止を求める決議が圧倒的多数の賛成で採択されたことは、世界では死刑制度の廃止が潮流となっていることを示しており、我が国をはじめとする死刑存置国に対して、死刑の執行を停止し、あるいは死刑適用の制限を求める動きがますます強まっている。
 前記のような国連機関による度重なる勧告は、死刑が最も基本的な人権である生命に対する権利を否定する究極の刑罰であり、死刑制度は人権にかかわる重大な問題であるという認識のもとになされている。

 今回の執行には千葉法務大臣が自ら立ち会い、今後死刑制度をめぐり議論の場の創設や情報公開の促進などを行うことを表明したと伝えられる。
 当会は、死刑をめぐる情報が的確に開示された上、死刑の存廃についての国民的な議論が尽くされるまで、一定期間、死刑の執行を停止するよう要請してきているところ、一昨日の死刑執行について遺憾の意を表明するとともに、前記の国連総会決議が採択されたことを受け、日本政府が速やかに死刑の執行を一時停止し、制度の見直しを行う作業に着手すべきことを求めるものである。
以上