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被災者支援活動に関する会長声明~西日本豪雨災害から1年を迎えるにあたって~

2019年06月17日



                                広島弁護士会 会長 今井  光




1 声明の趣旨
 当会は、間もなく、西日本豪雨災害の発生から1年を迎えるにあたり、未だに生活再建道半ばにある被災者の方々の支援を拡充すべく、行政や他士業とも連携しながら、持続的な支援活動を実施していくことを誓約します。
 つきましては、広島県及び広島県内の各自治体におかれましても、①被災者の心身の健康の確保やコミュニティ維持の観点から、仮設住宅の供与期間の延長など、住宅政策について柔軟な運用を行って頂き、被災者が安心できる住まいの確保を政策として実現して頂くこと、②地域支え合いセンターを主体とする専門家派遣事業について、より一層の活用に努めて頂き、被災者一人ひとりに対する生活再建に向けた具体的支援が充実したものとなるよう、改めて要請する次第です。

2 声明の理由
 平成30年7月7日未明、西日本各地の広範囲にわたって大規模な豪雨災害が発生し、広島県内においても、133名もの人命が失われ(うち、災害関連死24名。)、家屋被害も1万3000件を超えるという、未曾有の甚大な災害に見舞われました(件数は、令和元年5月28日時点の情報です。)。
 当会と致しましては、県内各地の法律相談センターでの面談相談を実施するとともに、フリーダイヤルによる電話相談の開設や、被災地における生活再建に関する相談会の実施など、各種支援活動に取り組んできたところです。
 中でも、電話相談においては、約1000件にのぼる相談が寄せられ、多くの被災者の方々に対し、近隣との紛争や生活再建に関するアドバイス等を行って参りましたが、被災地の実態からすると、今なお、生活再建の目処が立たず、途方に暮れている被災者が多数存在します。
 こうした中、現在、広島県下の自治体においては、仮設住宅(みなし仮設を含む)に居住している方について、その供与期間を、最大で2年とする告知をしているようです。
 しかし、被災地における砂防事業等については、仮設住宅の期間が満了した時点で完成に至っているものではないため、被災者にしてみれば、未だ安全性が確保されないまま、被災した地域に戻るか、あるいは、他の場所に移り住むかの選択を余儀なくされてしまいます。
 そこで、広島県内の各自治体におかれましては、砂防堰堤の設置を含む砂防事業が完成するまでの間、広島県とも協議のうえ、仮設住宅の供与期間を延長して頂き、「元の場所に戻ろう」「コミュニティを復活させよう」という意欲ある被災者の方々が、近い将来、安心して、住み慣れた地域に戻ることができるよう、格別な配慮をお願いする次第です。
 言うまでもなく、西日本豪雨災害では、特定非常災害に指定された結果、仮設住宅の供与について、2年を超えた場合、1年ごとの延長が可能となっているのであり、行政が柔軟に対応しうるための法令上の根拠もあります。
 以上の次第でありますから、当会は、広島県及び広島県内の各自治体に対し、被災者の方々が、当面の間、継続して安定した住まいを確保することができるよう、柔軟な運用をお願いする次第です。
 また、西日本豪雨災害においては、広島県地域支え合いセンターが発足し、県内の各市町において、被災世帯の個別訪問が行われているところであります。
 この被災者一人ひとりに寄り添う事業については、いわゆる個別支援の実践形式である災害ケースマネージメントの具体化であり、その取り組みは全国的にも高く評価されているところですが、当該事業では、同センターが、広島県災害復興支援士業連絡会を通じて、弁護士等の専門家派遣を行うことが出来る仕組みを持ち合わせています。
 この点、被災者が生活を再建し、真に復興を遂げたというためには、その世帯の人数、健康状態、要介護者の有無、通学や通勤の状況、さらには、収入や支出のバランス、資産や負債の状況に応じて、まさに、千差万別の考慮が必要なのであって、集合相談型、あるいは、情報提供型の支援だけでなく、専門家による個別相談の機会を充実させることが、極めて肝要であると考えます。
 よって、当会は、被災者の生活再建に向けての支援を充実させるべく、地域支え合いセンターが実施する専門家派遣事業、とりわけ、個別の派遣事業について、さらなる活用を要請します。
以上