声明・決議・意見書

会長声明2021.09.10

成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害拡大防止に向けた実効性ある施策を早急に実現することを求める会長声明

2021年(令和3年)9月8日

広島弁護士会 会長 池上 忍

 

第1 声明の趣旨

当会は、国に対し、成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害拡大防止に向けた実効性ある施策を早急に実現することを求める。

 

第2 声明の理由

民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げる「民法の一部を改正する法律」(平成30年法律第59号)の施行日である2022年(令和4年)4月1日まで7カ月を切った。

民法の成年年齢の引下げにより、高校生を含む18歳及び19歳は未成年者取消権を失うため、これらの年齢をターゲットにした悪質商法が増加し、若年者の消費者被害拡大が強く懸念されている。

本改正法の成立にあたっては、参議院法務委員会において全会一致で附帯決議がなされ、そこでは、①知識、経験、判断力の不足などを利用して勧誘し契約締結させた場合(いわゆるつけ込み型不当勧誘)における消費者の取消権を創設すること(法成立後2年以内)、②若年者の消費者被害を防止し救済を図るために必要な法整備を行うこと(法成立後2年以内)、③マルチ商法の被害の実態に即した対策について検討を行い、必要な措置を講ずること、④消費者を育成するための教育の在り方を質量共に充実させること、⑤若年者に理解されやすい形で周知徹底を図ること、などが求められている。

しかし、本改正法の成立から3年余りが経過した現在についても、①の取消権の創設については、消費者庁の検討会で検討が行われている状況で、創設の目途はたっておらず、②の必要な法整備も未だ実現していない。③については、当会の本年7月14日付け意見書のとおり、22歳以下の者との間で連鎖販売取引を行うことを禁止する等の改正を行うべきであるが、それに向けた動きは見られない。④については、「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力」キャンペーン等を実施しているものの、学校現場において十分な取り組みがなされているとは言い難く、⑤についても成年年齢引下げ自体の周知はなされているが、それに伴う未成年者取消権の喪失及び消費者被害拡大のおそれについては周知されていない。

よって、当会は、国に対し、上記附帯決議に示された成年年齢引下げに伴う若年者の消費者被害拡大防止に向けた実効性ある施策を早急に実現することを求める。

以上