声明・決議・意見書

会長声明2011.01.12

給費制維持の会長声明

広島弁護士会
会長 大迫唯志

司法修習生に対する給費制を1年間継続する「裁判所法の一部を改正する法律」の成立にあたっての会長声明

2010(平成22)年11月26日,司法修習生に対する貸与制の施行を2011(平成23)年10月31日まで延期する「裁判所法の一部を改正する法律」が成立し,公布された。これにより新第64期司法修習生に対して,従前の制度と同様,給費が支給されることとなった。

この間,日弁連や各地の弁護士連合会やすべての弁護士会は,一致協力して司法修習生の給費制の維持にむけて様々な活動を行ってきた。当会でも,「司法修習生の修習資金貸与を廃止し給費制の復活を求める」総会決議,請願署名活動,市民集会の開催,国会議員要請などの活動を行ってきたところであるが,今回の法改正が実現したのは,困難な国会状況の中で粘り強く取り組んで頂いた国会議員の皆様,数多くの請願署名をお寄せ頂いた県民の皆様,市民集会やパレードに参加された市民団体その他関係各位が,司法修習生の給費制の必要性を理解してご協力頂いたおかげであり,深く敬意を表するものである。

今回の法改正に関して,衆議院の附帯決議では,給費制が継続される1年間に,政府および最高裁判所に対し,個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について,また,法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え,その結果に基づいて必要な措置を講ずることを求めている。

よって,当会は,政府および最高裁判所に対し,司法修習生に対する財政的支援の在り方の検討を速やかに開始することを強く求めるとともに,引き続き司法修習生の給費制の維持が,司法の基盤である裁判官,検察官や市民の権利の守り手としての弁護士を育てるために不可欠な制度であることへの国民の理解を得るよう努力し,司法修習生の給費制を完全に維持する改正裁判所法の成立に取り組んでいく所存である。

以上