声明・決議・意見書

会長声明2020.07.10

平成26年8月豪雨災害から6年,平成30年7月豪雨災害から2年目の災害復興支援に関する会長声明

2020年(令和2年)7月10日

広島弁護士会会長  足 立 修 一

 

1 声明の趣旨

広島弁護士会は,二度の大規模な豪雨災害による被災者の方々が,コロナ禍の障壁を乗り越え,一人ひとりが復興に向けて歩みを進めることができるよう継続的な支援を実施するとともに,今後発生しうる災害に対して被災者支援に取り組んでまいります。

2 声明の理由

広島県では,本年,「平成26年8月豪雨災害」から6年,「平成30年7月豪雨災害」からは2年目となり,被災地では,砂防堰堤の整備・災害発生時に避難路として機能する道路の整備・雨水排水施設等の整備が進められております。また,「平成30年7月豪雨災害」における被害の大きかった坂町では,2020年(令和2年)4月から災害公営住宅の入居も始まっております。このように,各豪雨災害からのハード面における復興は,ある程度進みつつあります。

しかし,砂防堰堤の整備等の災害復興プロジェクトは,その性質上,長い年月を要するものですし,地域コミュニティの復興という観点からすると,まだまだ道半ばであります。この点,上記の坂町をはじめ,いまだに14市町の284世帯656人(2020年(令和2年)6月1日時点)が仮設住宅などでの仮住まいを余儀なくされているという事実からも,災害復興の進捗度は,十分なものとは言い難い状況にあることがみてとれます。

こうした中,新型コロナウィルス感染症の感染拡大を契機として政府が発令した緊急事態宣言及び県からの外出自粛要請・営業自粛要請等によって,事業活動が制限されることにより自宅の復旧が遅れている方や,経済状況悪化も一因となって職を失ったり,収入の減少等によって経済的基盤を回復しきれていない方などがいます。このように,復興を目指す各豪雨災害の被災者にとって,コロナ禍による二重苦が障壁となっている状況が見受けられます。

そのため,各豪雨災害による被災者の一人ひとりが,すべからく復興を遂げるための支援が,今後も継続的に必要であることは間違いありません。

当会は,各豪雨災害発生直後から現在まで,法律相談をはじめとして種々の災害復興支援活動を行っておりますが,上記のとおり,当該活動は長期にわたり継続的に行われる必要があることから,今後も後記3のとおりの支援活動を行ってまいります。皆様に積極的にご利用いただければ幸いです。

また,本年7月5日以降も九州を中心に豪雨が続いているところ,今後も様々な災害が発生する可能性が否定できません。当会としては,これまでの災害支援の経験を基に今後も発生しうる災害に対しても,被災者の方々の人権擁護のため支援に取り組んでまいります。

3 具体的支援策について

(1)無料法律相談

「平成26年8月豪雨災害」及び「平成30年7月豪雨災害」に関連する法律相談について,引き続き,無料で電話相談を受け付けております。

電話相談をご希望の方は,

「広島弁護士会紙屋町法律相談センター」

電話番号:082-225-1600

受付時間:毎日9:30~16:00

までご連絡いただき,「豪雨災害の電話相談希望」とお伝えください。

追って,担当の弁護士より,被災者の皆様方に電話をさせて頂きます。

(2)災害ADR(弁護士による和解あっせん手続)

「平成26年8月豪雨災害」及び「平成30年7月豪雨災害」を契機として生じた法的トラブルにつき,中立な立場の弁護士が間に入って,当事者双方のお話を聞き,話し合いによる解決を目指します。

災害ADRの利用をご希望の方は,

「広島弁護士会仲裁センター」

電話番号:082-225-1600

受付時間:毎日9:30~16:00

 までご連絡いただき「災害ADRの利用希望」とお伝えください。

以上