声明・決議・意見書

会長声明2012.08.07

死刑執行に関する会長声明

広島弁護士会
会長 小田清和

本日、東京拘置所において1名、大阪拘置所において1名、計2名の死刑確定者に対して死刑が執行された。今回の執行は、2012年3月29日の執行再開以降、4か月での死刑執行となるもので、極めて遺憾な事態であり、強く抗議する。
我が国の死刑制度に対し、国際社会は注目している。近時、国連総会本会議において、死刑執行の停止を求める決議が圧倒的多数の賛成で採択されてきたほか、国連機関においても、日本政府に対して、死刑執行停止の勧告や死刑制度の廃止を前向きに検討するようにとの勧告がなされている。これらは、いずれも死刑が最も基本的な人権である生命に対する権利を否定する究極の刑罰であり、死刑制度は人権にかかわる重大な問題であるという認識に基づいている。このように、世界では、死刑制度の廃止が潮流となっており、我が国をはじめとする死刑存置国に対し、死刑の執行を停止し、あるいは死刑適用の制限を求める動きがますます強まっている。
我が国では、本年3月,小川敏夫法務大臣(当時)は,「死刑制度の在り方についての勉強会」を終了させたのに続き,同月29日には,1年8か月ぶりとなる死刑の執行を3名に対して行った。その後,政務三役による絞首刑の在り方に関する検討が開始されたと報道されたものの,その議論状況は一切公開されないままであり,本年6月4日に滝法務大臣が就任した後もその状況は変わっていない。
当会は、死刑をめぐる情報が的確に開示された上、死刑の存廃についての国民的な議論が尽くされるまで、一定期間、死刑の執行を停止するよう要請してきているところ、前述の国連総会決議が採択されてきたことを受け、日本政府が速やかに死刑の執行を一時停止し、死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。

以上