声明・決議・意見書

会長声明2007.10.17

死刑執行に関する鳩山法相発言に抗議する会長声明

広島弁護士会
会長  武井康年

1  マスコミ報道によれば、鳩山法務大臣(以下、鳩山法相という。)は、2007年(平成19年)9月25日、内閣総辞職後の記者会見で、死刑執行の現状について「法改正が必要かもしれないが、法相が絡まなくても自動的に執行が進むような方法があればと思うことがある。」と述べ、法務大臣が死刑執行命令書に署名する現行制度の見直しを提案した。また、その中で、「判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。」という刑事訴訟法475条第2項の規定につき、「法律通り守られるべきだ。」との見解を示し、執行の順番の決め方についても、機械的に決めることなどの発言をした。さらに、その後、鳩山法相は、再任後の記者会見で、死刑執行のあり方について「『この大臣はバンバン執行した、この大臣はしないタイプ』などと分かれるのはおかしい。」と述べ、改善も視野に入れた勉強会を省内で設けたい意向を示した。
そして、鳩山法相は、前同年10月5日、法務省内で死刑執行手続の見直しに関する初めての勉強会を開き、今後も勉強会を続けて前記見直しの検討を続ける意向を示している。
2  しかし、鳩山法相の一連の発言(以下、鳩山発言という。)は、死刑執行の重大性を考慮し特に慎重を期する必要があることから、それを裁判所の判断とは別に法務大臣に委ねた法の趣旨を蔑ろにするものである。
また、我が国では、4つの死刑確定事件(免田・財田川・松山・島田各事件)について再審無罪判決が確定し、死刑判決にも誤判が存在したことが明らかとなっており、このような誤判を生じるに至った制度上、運用上の問題点について、抜本的な改善が図られておらず、誤まった死刑の危険性は依然存在する。
このような中での鳩山発言は、法務大臣としての資格や適格性を疑わせるものと言わざるを得ない。
3  そこで、当会は、鳩山発言に厳重に抗議するため、本声明を発するものである。

以上